国土交通省は9月20日、国道管理の効率化に向けて「国道(国管理)の維持管理等に関する検討会」を6年ぶりに開き、国道の維持管理基準の見直しについての議論を開始した。担い手不足や老朽化など道路管理を取り巻く厳しい現状を踏まえ、国交省は、巡回、清掃、除草、剪定、除雪の各分野にICTや人工知能(AI)などの新技術を実装し、維持管理の高度化を図る方針を示した。
検討会が2013年3月にまとめた提言を踏まえ国交省は「国が管理する一般国道及び高速自動車国道の維持管理基準(案)」を策定。その後、国が管理する国道延長の増加、道路の老朽化、維持管理を担う建設業の人手不足など、国道を取り巻く現状は厳しさを増しており、基準を見直して維持管理の効率化と高度化を目指す。
国交省は20日の会合で、ICTとAIを活用した新たな維持管理システム「スマートメンテナンス(仮称)」を導入する考えを提示。これによると、基盤地図情報を搭載したプラットフォームを構築した上で、タブレットを活用して道路巡回の効率化を図ったり、道路監視にAIを活用した自動検知システムを導入する。
さらに、3次元点群データを活用して補修計画の立案も効率化。GPSを使った交通障害確認システムを活用し、除雪作業の自動化を図る考えも示した。
提供:建通新聞社