国土交通省は、建設分野での特定技能外国人の受け入れに必要な教育訓練・技能評価試験の実施に向け、フィリピン政府との協議を開始した。フィリピンでは、まず2020年2月に電気通信の初の試験を実施。21年度以降、電気通信以外の職種で教育訓練・試験を行うため、同国政府の技術教育技能開発庁(TESDA)など、関係機関との協議を始めた。
特定技能1号の在留資格を取得するためには、現地国で日本語能力試験と技能評価試験に合格しなくてはならない(技能実習修了者は試験免除)。
国交省は、20年2月までにベトナムで電気通信を除く10職種の教育訓練・試験を行う方針。9月末にも、試験の実施機関である建設技能人材機構(JAC、才賀清二郎理事長)と現地の教育機関が協定を結ぶ予定だ。
同省では、ベトナムに続き、フィリピンからの受け入れに向けた協議もスタートした。9月9日〜12日の日程で美濃芳郎大臣官房審議官らがマニラを訪れ、TESDAや海外雇用庁(POEA)などの関係者と会談した。20年度以降に現地で教育訓練と試験を実施する方向で、継続的に協議する。
フィリピンの国内人材に職業訓練を行っているTESDAは、直営の訓練校123校を運営し、建設関連だけでも年間28万人が訓練を受けている。サウジアラビアに送り出す人材の教育訓練も行っており、日本向けの教育訓練にも前向きな姿勢を示しているという。
まず、試験実施機関であるJACは、協和エクシオの現地法人であるMGエクシオのトレーニングセンターを借り受け、20年2月にフィリピンで初めての技能評価試験を行う。国交省は、TESDAの協力を受け、20年度以降に他職種の教育訓練と試験も実施したい考えだ。
提供:建通新聞社