国土交通省は、建設工事の安全衛生経費に関する実態調査を発注者と一人親方を対象に実施している。公共工事の発注者である都道府県・政令市と200市町村をはじめ、民間工事の主要な発注者約200社に対し、安全衛生経費の認知度と契約手続き上の取り扱いをアンケート形式で調査。一人親方には、全国建設労働組合総連合(全建総連)に加入する30〜40人を対象として、費用負担の現状などをヒアリングする。
建設職人基本法や同法の基本計画を受けて設置された「建設工事における安全衛生経費の確保に関する実務者検討会」での議論を踏まえ、安全衛生経費の実態を調査する。検討会は、安全衛生経費が確実に支払われるための実効性のある対策を年内にまとめる予定で、調査結果を対策に反映する。
発注者には、安全衛生経費に対する認識や工事費を積算する上での取り扱いを聞く。検討会では、安全衛生経費を内訳として明示した見積書を対策の一つとして議論しており、内訳明示した場合のメリットやデメリットも回答してもらう。
全建総連の組合員30〜40人を集め、一人親方にもヒアリングを行う。専属で働く事業者との契約における安全衛生経費の取り扱い、フルハーネスや防じんマスクなどの機器購入の際の費用負担などを答えてもらう。
提供:建通新聞社