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中央ニュース

2019/09/04

公衆災害の防止 設計者にも責務

 国土交通省は、工事関係者以外の第三者を巻き込む公衆災害を防止するため「建設工事公衆災害防止対策要綱」を改正し、9月2日付で告示した。発注者と施工者だけでなく、設計者の責務を明記し、関係法令の順守を要請。近年の公衆災害の発生状況を踏まえ、埋設物の損傷、建設機械の転倒事故に対する防止措置の記載も充実させた。
 1993年に旧建設省の事務次官通達としてまとめた要綱を改正し、建設業法に基づく技術的事項として告示に位置付けるとともに、要綱の解説版も新たにまとめた。発注者や施工者に公衆災害防止への理解を深めてもらうとともに、告示に格上げして許可行政庁の指導にも活用してもらう。
 改正した要綱では、発注者、施工者、設計者に対し、公衆災害を防止するために関係法令(建築基準法、労働安全衛生法など)を順守する責務を規定。その上で、設計段階で現場の施工条件を十分に調査し、災害の発生防止に努めるよう求めた。施工者がリスクアセスメントを行い、リスクの低減措置を自主的に講じる必要性も指摘した。
 公衆災害に対する安全対策を行う上で、適正な工期と対策経費を確保することも求めた。この要綱に基づき対策を講じるために施工計画を変更しき場合、工期・経費の見直しを検討することを発注者と施工者に求めた。
 近年発生した公衆災害の事例を踏まえ、具体的な対策の内容も見直した。発生頻度の高い埋設物の損傷に対しては、施工前に埋設物監理者が所有する台帳と設計図面を照合することを指示。建機の転倒防止には、建機を設置する地盤の傾斜角の計測、作業規則の周知徹底、交通誘導警備員の配置などの対策を講じるよう求めた。
 この他、ICT施工ので現場での使用が増えているドローンについては、落下による公衆災害の防止措置を講じることを新たに要請。発注者と施工者が航空法の規定を順守することに加え、原則として飛行区域の土地所有者に許可を得ることを求めた。

提供:建通新聞社