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2019/08/20

総務省、20年社会実装へ5G総合実証試験

 第5世代移動体通信(5G)の2020年の社会実装を目指している総務省は、19年度に行う5G総合実証試験の実施内容を決めた。19年度は1月に実施した「5G利活用アイデアコンテスト」で公募した地域課題の解決に資する利活用モデルに力点を置いた実証試験を実施する。実証試験のメニューの一つには、大林組が三重県伊賀市で行う予定の「建機の遠隔操縦・統合施工管理システム」の実証試験も採用している。
 大林組(蓮輪賢治代表取締役社長)は、KDDI(高橋誠代表取締役社長)、日本電気(新野隆代表取締役執行役員社長兼CEO)と共同で5Gと4K3Dモニターを活用した建設機械による遠隔施工の実証試験を18年2月に行い、成功している。
 同社によると、この時の実証試験では既存のモバイル通信では実現が困難だった高精細映像を伝送。遠隔地にいるオペレーターの負荷を軽減することで、遠隔操作の作業効率を従来比で15%〜25%改善したことを確認している。
 19年度はKDDI、日本電気とともに、「複数端末の環境下で都市または郊外において端末からの上り平均300Mbpsを確保しつつユーザーニーズを満たす高速低遅延通信の実現」に関する調査検討の請負者として実証試験を行う。
 また、19年度の実証試験には、愛媛大学大学院理工学研究科電子情報工学専攻分散処理システム研究室(小林真也教授、遠藤慶一講師、藤橋卓也助教)が19年1月に実施した総務省の5G利活用アイデアコンテストに応募し、四国地方選抜で一位・四国総合通信局長賞を受賞した「高精細画像による(造船)クレーン作業の安全確保」も採用されている。
 小林教授らは、クレーンの運転台からは見えない玉掛け作業の映像や、作業現場の音響情報を遠隔操作でリアルタイムに送り、労働環境の改善、人手不足対策、現場の技術・技能の伝承につなげることができるかどうか、その効果を検証する。

提供:建通新聞社