国土交通省は、2019年度の建設投資(名目値)を前年度比3・4%増の62兆9400億円になるとの見通しを発表した。建設投資額は5年連続の増加で、01年度の水準まで投資額を回復させた。政府投資が「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」で大幅に増加したことに加え、民間投資も15年度以降の堅調な伸びを維持した。
建設投資見通しは、国内の建設活動を出来高ベースで推計したもの。19年度の推計から政府・民間の建築物リフォーム・リニューアル投資額を計上している(15年度分までさかのぼって計上)。追加したリフォーム・リニューアル投資額を除いても、建設投資額は5年連続の増加となる。
政府投資は、18年度第2次補正予算と19年度当初予算に計上された3か年緊急対策による公共事業費が出来高として上積みされ、4・5%増の21兆6300億円となる見通し。前年度の減少から再びの増加となる。政府投資にも、政府建築物のリフォーム・リニューアル投資として1兆3600億円(1・5%増)が含まれている。
民間投資は2・8%増の41兆3100億円で5年連続の増加。内訳は、民間住宅建築投資が2・8%増の17兆3900億円、民間非住宅建設投資(民間非住宅建築、民間土木)が3・6%増の17兆7000億円、民間建築物リフォーム・リニューアル投資が0・6%増の6兆2200億円となる。
地域別の投資額は▽北海道3兆0500億円(10・5%増)▽東北6兆6600億円(10・6%増)▽関東23兆0800億円(1・6%増)▽北陸3兆2600億円(1・2%増)▽中部7兆2200億円(6・3%増))▽近畿7兆7300億円(2・5%増)▽中国3兆3300億円(前年度と同額)▽四国1兆8200億円(1・1%増)▽九州5兆7900億円(1・4%増)▽沖縄1兆円(前年度と同額)―となり、中国と沖縄を除く全地域で前年度の投資額を上回る見通しだ。
提供:建通新聞社