環境省は今通常国会(第198回国会)で成立した改正浄化槽法の2020年4月1日施行に向けて、制度設計のための「浄化槽リノベーション推進検討会(座長、眞柄泰基・給水工事技術振興財団理事長)」を設置。省令改正の具体的な内容について検討を開始した。今年12月をめどに省令改正案をまとめ、20年1月に公布する。
2000年に原則として新設が禁止された単独浄化槽が国内で約400万基(浄化槽全体の53%)残存。環境負荷の低い合併処理浄化槽への転換が喫緊の課題となっている。
一方で水質に関する定期検査の受検率も40%にとどまっており、浄化槽管理の強化も法改正の目的の一つ、となっている。
このため改正浄化槽法の付則第11条で、11条検査の結果などから判断し、そのまま放置すれば生活環境や公衆衛生上支障が生じる恐れのある緊急性の高い既存の「特定既存単独処理浄化槽」について、都道府県知事が除去などの助言、指導、命令などを行うことができることを規定。
第12条では自然的、経済的、社会的諸条件からみて浄化槽による汚水の適正な処理を特に促進する必要があると認められる区域を「浄化槽処理促進区域」として、市町村が指定することができるとした上で、同区域内にある浄化槽のうち設置計画に基づき設置された浄化槽であって、市町村が管理することとした浄化槽を「公共浄化槽」と定義している。
また、浄化槽を適正に管理するには行政、検査機関、保守点検業者・清掃業者などが浄化槽設置に関する情報を一元的に把握することが望ましいなどと指摘。第49条で都道府県知事と保健所設置市長に対し、浄化槽台帳の作成と保管を義務付けている。
検討会ではこうした改正法の規定を踏まえ、「特定既存単独処理浄化槽」の対象範囲や、特定既存単独処理浄化槽を把握するための根拠(情報源)について検討。
「浄化槽処理促進区域」は区域指定の考え方について、「公共浄化槽」は設置計画で定めるべき事項や土地・建築物所有者などとの同意手続き、都道府県知事や特定行政庁との協議手続きなどについて詰める。
提供:建通新聞社