14年度から5年に1度の周期で実施することが義務付けられている橋梁・トンネルの定期点検を、この5年間でほぼ全て完了したことが分かった。国土交通省がまとめた「道路メンテナンス年報」(2018年度末時点)によると、18年度末時点での実施率は橋梁99・9%、トンネル99・5%だった。
道路管理者には、14年7月に橋梁・トンネル・道路付属物(シェッド、大型カルバート、横断歩道橋、門型標識など)の5年に1度の定期点検と、健全性を4段階(判定区分T〜W)で診断することが義務付けられているが、18年度末時点の点検実施率は橋梁99・9%、トンネル99・5%、道路付属物99・7%となっており、ほぼ全ての施設で一巡目の点検を終えている。
診断の結果、5年後の次回点検までに修繕が必要と診断された橋梁(判定区分V・W)は6万9051橋(10・1%)あったが、このうち18年度末時点で修繕に着手していない橋梁が5万3694橋(78%)あった。道路管理者別の内訳は、国交省が1616橋、高速道路会社が1801橋、都道府県が1万5697橋、市区町村が3万4580橋で、自治体が管理する橋梁の修繕着手率は20%にとどまっている。
18年度に自治体が点検を行った橋梁は、職員が「直営点検」したものが13%、建設コンサルタントなどへ「委託点検」したものが87%だった。直営点検で行った橋梁の54%は、国交省の研修や民間資格を保有していない職員の手で行われたものだった。
提供:建通新聞社