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2019/08/07

道路整備の建設資材 安定供給へ対策提言

 国土交通省は、老朽化した橋梁・トンネルの維持修繕費の増加に対応するため「道路における建設資材調達に関するあり方検討委員会」を設置し、8月6日に初会合を開いた。道路整備・維持管理に必要な建設資材では、長期の需要減少で生産施設が減少するとともに、原料の輸入価格の変動で長期的な価格上昇も起きている。道路整備に建設資材を安定供給するための課題を整理し、検討委として対策を提言する。
 政府の2019年度当初予算では、国土強靱化(きょうじん)などの経費を上乗せしたことで、公共事業費が15・6%増加した。初会合の冒頭、池田豊人道路局長は「橋梁・トンネルの老朽化が進めば、公共投資のさらなる増加も見込まれる」との考えを述べた。そして「維持修繕を担う人手の不足だけでなく、建設資材についても、今の時点から安定供給の体制を整えるべきだ」と対策を講じる必要を強調した。
 14〜17年度に全国の道路管理者が定期点検を行った橋梁のうち、早期に措置すべき「判定区分V」は10%に当たる約5万8000橋。国交省の推計では、20年後の道路の維持管理・更新費は、予防保全型を導入しても1・4倍に増加する見通しで、将来的に事業量を大幅に増加させる必要がある。
 一方、道路で利用される建設資材は、長く続いた公共事業費の減少により、ピーク時と比べ、生コンクリートで6割、アスファルト合材で5割減少している。需要の減少に伴って生産工場の廃止も相次いだため、生産施設は生コンクリートで7割、アスファルト合材で6割減少した。原料の輸入価格の変動も手伝い、価格も長期的に上昇傾向にある。
 今後、検討委では、道路の維持修繕の今後の見通しとともに、建設資材の生産・供給・流通、再生材の供給、高機能材料などの技術開発の現状を整理。合わせて、▽セメント協会▽全国生コンクリート工業組合連合会▽日本橋梁建設協会▽日本建設業連合会▽日本道路建設業協会▽プレストレスト・コンクリート建設業協会―の6団体にヒアリングも行い、建設資材の安定供給に向けた対策をまとめる。

提供:建通新聞社