全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は7月26日、公共工事のダンピング対策のための地方公共団体(都道府県・政令指定都市・県庁所在市)での最低制限価格と低入札価格調査基準価格の算定方法の改定状況について6月時点での調査結果を発表した。2019年3月に改訂された最新の中央公契連(中央公共工事契約制度運用連絡協議会)モデルに準じるか、同モデルの水準以上の算定式を適用している団体は、都道府県が47団体のうち約6割の27団体、政令指定都市・県庁所在市では51団体のうち約4割の20団体だった。
国土交通省の低入札価格調査基準価格の算定式などの見直しを受け、中央公契連は3月、最新の見直しを実施。最低制限価格と低入札価格調査基準価格の設定範囲を、予定価格の「70〜90%」から「75〜92%」に引き上げた。これに合わせ国交省と総務省は同様の見直しを都道府県と政令指定都市に対して要請した。
全建による今回の調査によると、都道府県では、岐阜県や大阪府、岡山県、香川県、徳島県、高知県など18道府県が最新の中央公契連モデルに準拠。さらに青森県、岩手県、山形県、栃木県、新潟県、静岡県、福井県、和歌山県、島根県の9県では同モデル以上の水準に算定式を設定していた。
岩手県では、予定価格に対する設定範囲を最新モデルに準じて引き上げるとともに、一般管理費の算定率を中央公契連モデルより5ポイント高い60%にした。また、静岡県などでは、予定価格に対する最低制限価格などの割合に関して上限を撤廃していた。
政令指定都市と県庁所在市では、岐阜市や静岡市、大阪市、岡山市など10市が最新の中央公契連モデルに準拠。さらに札幌市、山形市、横浜市、川崎市、相模原市、堺市、山口市、高知市、北九州市、鹿児島市の10市が同モデル以上の水準に算定式を設定していた。
全建では調査結果の詳細をホームページに掲載した。また、10月に全国各地区で開催するブロック会議での行政への要望活動に活用していく。
提供:建通新聞社