国土交通省は、下請けに対する建設業許可証の現場掲示の義務を廃止する。現在は、全ての建設業者に義務付けている許可証の掲示を元請けに限定。下請けの許可証を掲示しない代わりに、元請けが施工体系図を現場に掲示し、下請けの名称などを明らかにするよう求める。
建設業許可を受けた建設業者が適正に施工していることを明らかにするため、許可業者の名称や監理・主任技術者の氏名などを記載した建設業許可証を現場に掲示することが全ての建設業者に義務付けられている。
ただ、現場の敷地が狭く許可証を掲示するスペースが確保できないケースや、マンションの屋上などの公衆の目に触れない工事では下請け許可証を掲示する必要がないのではないか、といった声がこれまでも許可業者の間で強かった。
こうした声を受け、改正建設業法では、許可証の掲示義務の対象を元請けに限定した。一方で、元請けに施工体系図の掲示を求めることで、現場に配置されている下請けの名称などを明らかにする。掲示義務の緩和に伴い、年内に省令を改正し、許可証と施工体系図の記載事項も改める。
提供:建通新聞社