トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2019/07/12

工期に関する基準 設計変更を重点確認

 国土交通省は、6月に成立した改正建設業法で著しく短い工期≠ナの契約が禁止されたことを受け、工期の適正性の判断基準となる「工期に関する基準」の策定に着手する。基準には、工期設定の際に考慮すべき事項を定性的に定める方針。工期変更の有無も基準で重点的に確認する。著しく短い工期での契約を強いられた元請け・下請けからの許可行政庁への通報を端緒に、注文者(発注者、元請け、上位下請け)を指示・勧告の対象とする。
 改正建設業法では、注文者に対し、通常必要と認められる期間と比べて著しく短い工期での請負契約を禁止した。工期に関する基準は、著しく短い工期の判断基準の一つとなるもの。過去の同種類似工事の実績、受注者が提出した工期の見積もり、工期に関する基準の三つを材料として、法令違反の有無を許可行政庁が判断する。
 工期に関する基準は、中央建設業審議会にワーキンググループを設置し、今夏から策定に着手する。工事日数などで定量的に一律に基準を定めることは困難なため、自然的要因、不稼働日(週休2日、年末年始、夏季休暇など)、各工程で確認すべき事項などを定性的に盛り込み、この基準に照らして工期の適正性を判断する。
 この中で、設計変更時の工期変更の有無も重点的に確認する。契約当初に予期できない理由で設計変更する場合に、注文者が工期変更を認めないことが多いため、基準の中で適正な工期変更を行っているかを重点的にチェックする。
 著しく短い工期の疑いがある契約は、受注者(元請け、下請け)から許可行政庁への通報を端緒として建設業法上の処分対象にする。各地方整備局に設けている「駆け込みホットライン」などに寄せされる通報を受け、許可行政庁が工期に関する基準などから処分の是非を判断。必要に応じ、有識者の意見も聞く。発注者には勧告・公表、許可業者である元請け・下請けには勧告・指示などの処分を下す。

提供:建通新聞社