国土交通省は、高速道路の暫定2車線区間の4車線化について、優先整備区間を選定する際の考え方案をまとめた。「時間信頼性の確保」「事故防止」「ネットワーク代替性確保」という課題ごとに指標を設定し、課題が大きな路線を優先して整備するイメージだ。7月10日に開いた社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会で提示した。
同部会ではこれまでに、高速道路の暫定2車線区間について、対面通行となっている有料区間約1600`のうち特に課題の大きな区間を選定し、優先整備区間に位置付けるとの方向性を示していた。国交省は今回の会議で、優先整備区間を選定する際の評価イメージとして、「時間信頼性」の観点からは速度低下や渋滞回数、「事故防止」の観点から事故件数や事故率、「代替性確保」の観点から通行止め時間など、解消すべき課題に応じた指標を設定するとした。区間ごとに各指標に基づいて分析し、課題の大きさを評価する。
優先整備区間の考え方は、部会での議論に基づいて今後作成する「高速道路における安全・安心計画」に盛り込む。10日の部会では同計画の構成案も提示。国が策定する「安全・安心基本計画」(仮称)には優先整備区間選定の考え方▽自動運転の実現に向けたインフラの在り方▽橋梁耐震化率の目標▽逆走事故の削減目標―などの方針を設定する。
高速道路会社はこれを踏まえ、事業箇所や事業展開、整備手法を盛り込んだ「安全・安心実施計画」(仮称)を作成する。
提供:建通新聞社