国土交通省は、10月1日の消費増税に伴い、税率の引き上げ分を請負契約額に適正に転嫁するよう、建設業団体に通知した。通知では、税率引き上げ後に「指し値」「赤伝」「不当な使用資材等の購入強制」を行うと、転嫁拒否を禁止する特別措置法に違反すると指摘。税率引き上げ分を受け入れる代わりに、本体価格の減額や工期短縮などを強いることが、建設業法違反に当たることも改めて注意喚起した。
公正取引委員会と中小企業庁からの要請を受け、7月8日に所管する建設業界に消費増税分の適正な転嫁を要請した。民間工事の発注者となる不動産業7団体にも、5日に同様の通知を送っている。
通知では、特別措置法で禁止する転嫁拒否の行為を改めて例示。建設工事の請負契約で、税率引き上げ分の本体価格からの値引き、商品購入や協賛金支払いの強制、通報に対する取引停止などを違反行為として挙げた。
一方、建設業法違反に当たる税率引き上げ時の行為も明示。引き上げ分を受け入れる代わりに、工事のやり直し、工期短縮、支払い保留、長期手形の発行などを強要しないよう求めた。建設業法違反が疑われる行為は、許可部局による立入検査などの対象にもなる。
通知では合わせて、請負契約に適用する税率も改めて周知。請負契約では、今年4月1日の指定日以降に契約し、10月1日以降に引き渡した場合に新税率を適用する。指定日以前に契約し、10月1日以降に引き渡す場合は旧税率を適用する。ただ、同じ契約で指定日以降に増額変更し、10月1日以降に引き渡すケースでは、増額分に新税率を適用する。
提供:建通新聞社