国土交通省は、建設資材の物流を改善するため、「建設資材分野における『ホワイト物流』推進ガイドライン(仮称)」を策定する。施工者を含め、建設資材のサプライチェーン全体でガイドラインを共有し、建設資材物流の荷待ち時間削減、リードタイム(受注から納品までの時間)の確保などを図る。2019年度末にガイドラインを策定し、東京五輪開催時の交通混雑の緩和を狙う。
ガイドラインは、建設業団体やトラック事業者団体を集めた「建設資材物流における生産性向上及びトラックドライバーの労働時間改善に関する懇談会」の意見を踏まえ、19年度中にまとめる。
建設資材の輸送は、工程の遅れなどで搬出入計画に変更が生じても、そのことがドライバーまで伝わらず、荷待ちが発生してまうケースが多い。 国交省は、トラック事業者が現場の工程管理や搬出入管理をリアルタイムで把握するため、工事の進捗状況を把握するスマホアプリの実証実験を7月から実施。アプリ活用による荷待ち時間の削減効果を検証する。
リードタイムの確保も課題の一つ。トラック事業者側に過度なリードタイム競争があるため、注文確定から納品期限が短く、見込み配車によるトラックドライバーの待機時間が発生している。ゼネコンやハウスメーカー、専門工事業者の意見を聞きながら、十分なリードタイムを確保するための方策をガイドラインに盛り込む。
建材・住宅設備メーカーが検品の品番確認を目視で行うことも荷待ち時間の発生につながっている。一部のメーカーが導入を検討している「建材物流コード」を統一的に導入し、検品・仕分け作業の効率化も目指す。
提供:建通新聞社