日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、『週休二日実現行動計画』に基づく2018年度下期のフォローアップ調査結果をまとめた。災害復旧や五輪施設建設など「適用困難事業所」を除く「対象事業所」のうち21・7%が「4週8閉所以上」を達成し、これを含め「4週6閉所以上」が58・1%をが占めた。18年度上期と比べ達成率は、「4週8閉所以上」が4・8㌽、「4週6閉所以上」が6・2㌽ダウンした。達成率が低下した要因として回答企業からは、上期にはゴールデンウイークと夏季休暇の2回の長期休暇があったが、下期は年末年始だけだったことや、年度末工期の現場が多かったことなどが挙がった。
回答企業は98社で、事業所の合計は1万2833現場(土木5629現場、建築7204現場)。請負金額1億円以上か工期4カ月以上の現場を対象とした。閉所の状況は、半期(26週)の閉所日数を、週当たりの閉所日数に換算して算出した。
災害復旧や五輪施設建設など、週休2日の閉所が困難な「適用困難事業所」は全体の20・4%の2612現場。「適用困難事業所」を除く「対象事業所」は79・6%の1万0221現場(土木4573現場、建築5648現場)。
「対象事業所」の閉所の状況の内訳は「4週5閉所未満」が22・4%、「4週5閉所」が19・4%、「4週6閉所」が23・2%、「4週7閉所」が13・2%、「4週8閉所以上」が21・7%。
「対象事業所」を「土日閉所を基本とした作業所」と「土日閉所を基本としない事業所」で分けて見ると、「4週8休以上」は前者が24・1%、後者が13・3%、「4週6休以上」は前者が61・7%、後者が45・5%で、「土日閉所を基本とした作業所」での閉所率が高かった。
また、「対象事業所」を土木と建築に分けると、土木は「4週8閉所以上」が28・1%、「4週6閉所以上」が67・6%。建築は「4週8閉所以上」が16・6%、「4週6閉所以上」が50・5%。民間工事が主体の建築より、公共事業主体の土木の閉所率が高かった。
上期と比べ閉所率がダウンした要因に関して回答企業からは、年度末工期の現場が多いことなどほか、建築工事では「高力ボルト不足で鉄骨工事が遅くなり、終盤に休みがとれなくなった」という声があった。また、北海道での工事に関して「冬季施工では作業効率が低下し、年度末工期を順守するため、土曜や休日に作業せざるを得ない。工期を4〜5月に延長しないと4週8休は達成できない」という声もあった。
また、「契約時に土曜休日や週休2日を前提としない事業所では、当初の契約のまま週休2日を目指すのは困難」「官民双方の発注者側の理解や行政などによる取り組みの推進が必要であり、日建連から一層の働き掛けをお願いしたい」と、発注者の理解の重要性を指摘する意見が目立った。
日建連の『週休二日実現行動計画』は17〜21年度の5年間を計画期間とし、19年度末までの「4週6閉所以上」、21年度末までの「4週8閉所以上」の実現を目指している。
提供:建通新聞社