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中央ニュース

2019/07/08

グリーンインフラ推進へ 官民連携の基盤構築

 国土交通省は、自然環境が持つ機能を社会資本整備や土地利用に生かす「グリーンインフラ」の推進戦略をまとめた。グリーンインフラ官民連携プラットフォーム(仮称)の創設や、社会資本整備重点計画などの法定計画への位置付け、技術指針の策定により、グリーンインフラを幅広い事業分野で活用するための体制を整える。気候変動への対応力を高めるとともに、環境に配慮するESG投資をインフラ分野に呼び込む。
 森林や農地は、雨水貯留・浸透機能を担い、都市の緑地は景観の改善やヒートアイランド対策にも寄与する。推進戦略では、こうしたグリーンインフラの効果に基づき、自然の多様な機能を社会資本整備や土地利用を進める際の検討プロセスに組み込むことを基本方針に掲げている。
 具体化に向けた主な方策には、官民連携プラットフォームの構築を盛り込んだ。地方公共団体や大学などの参加も求め、ノウハウの共有や相互連携を促す。
 また、社会資本整備重点計画にグリーンインフラを位置付けることを検討。地方公共団体に対し、地域気候変動適応計画や緑の基本計画などへの反映を促していく。
 都市計画でのグリーンインフラの活用に関する考え方をまとめる他、事業分野ごとに技術指針を策定する。土木設計においても技術基準や特記仕様書への位置付けを検討する。
 今後、推進戦略に基づき、先導的な取り組みをモデル事業に選定する。関連する計画策定への新たな支援制度や、交付金などによる重点支援についても検討する。
 従来のインフラ管理者だけでなく、民間や地域住民を含めた幅広い主体の連携を模索する。民間のノウハウ・資金を生かすため、金融支援の仕組みを検討する。
 グリーンインフラの多様な機能を評価し、客観的に投資判断を行う手法の開発にも取り組む。

提供:建通新聞社