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2019/07/05

災害復旧援助者の宿泊場所確保 仙建協が宿泊業と全国初の覚書

 仙台建設業協会(仙台市、深松努会長)は3日、仙台市内でビジネスホテルの運営などを手掛ける松月産業(今中美穂代表取締役社長)と「災害時における復旧作業援助者の宿泊に関する覚書」を締結した。浜松建設業協会(浜松市、中村嘉宏会長)との災害時相互援助協定に基づくもので、建設関係団体と宿泊業が覚書を締結するのは全国で初めてという。
 仙建協と浜松建協は、今後想定されている南海(トラフ)地震や、再び発生すると思われる宮城県沖地震に備え、相互に協力し合うとの協定を18年9月に締結。この協定では迅速な災害時対応を実現するため、発災時に要請の有無を問わず、会員企業が被災地に駆け付けることとしている。
 今回の覚書は、協定に基づき仙台に来訪する浜松建協会員に向けて、宿泊施設を確実に提供することを目的に締結した。
 覚書では▽仙台市内に来訪する援助者の宿泊に関し迅速にサービスを提供する▽宿泊場所はホテルグリーンラインとする。ただし災害などで宿泊できない場合、もしくは宿泊室が不十分な場合、宮城県建設産業会館近くで同系列のホテルを用意することに努める▽浜松建設業協会の会員会社の社員とする。ただし、宿泊可能人数に余裕がある場合は、それ以外の援助者も含む―と定めた。
 締結式には、仙建協の深松会長、舩山克也副会長、後藤栄一副会長、松月産業の今中社長らが出席。深松会長と今中社長がそれぞれ覚書に調印した。
 深松会長は「震災時の知見から、宿泊施設の重要性を浜松建協と話し合った。ホテルグリーンラインは協会から近く、松月産業とは旧知の仲でもある。末永く関係を継続していきたい」とあいさつ。
 今中社長も「震災の次の日から不完全な状態ではあるが援助者を受け入れ、それが復興の力になると感じた。宿泊者の受け入れ時には食事の提供も行う。仙建協とは今後さまざまな面で協力していきたい」と述べた。(地方建設専門紙の会・建設新聞社)