環境省がまとめた環境産業の市場規模・雇用規模などの推計結果から、国内の環境産業の市場規模(2017年の推計値)が全体で105兆4495億円となり、過去最大となったことが分かった。「地球温暖化対策」が成長をけん引した。全産業に占める環境産業の市場規模の割合も2000年の6・1%から17年の10・3%まで増加。環境産業がわが国の経済成長に与える影響も大きくなっていることも分かった。
国内市場の「環境汚染防止分野」は05年以降、大気汚染の抑制に寄与する「サルファーフリー(低硫黄)のガソリンと軽油」を新たな推計項目として加えたため「化学物質汚染防止」分野が増加。17年の推計額は6兆8236億円となった。
「地球温暖化対策分野」は、固定価格買取制度の施行によって12年以降、「太陽光発電システム」などの再生可能エネルギー市場が急速に成長。特に2000年には1兆2731億円だった「クリーンエネルギー利用」分野が大きく伸長し、17年には6兆9370億円の市場となった。
「廃棄物処理・資源有効利用分野」は、09年の景気減速の影響を受けて落ち込んで以降は増減を繰り返していたが、17年は「資源、機器の有効利用」に含まれる「リフォーム・リペア」が大きく減少に転じた。
小さな増減を繰り返していた「自然環境保全分野」は、09年以降は増加傾向にあったが、17年は「持続可能な農林水産業」と「環境保護意識向上」が減少したことで、再び減少に転じた。
17年の国内環境産業の雇用規模も全体で約278万人(2000年の約1・5倍)となり、過去最大となった。
雇用の面でも「地球温暖化対策分野」がけん引した。「クリーンエネルギー利用」分野の市場規模が13年以降、拡大傾向にあり、この分野の雇用規模が14年〜17年の3年間で約10万人増加した。
提供:建通新聞社