国土交通省は6月26日、生産性革命本部の8回目の会合を開き、同省の生産性革命プロジェクトとして56の施策を推進する方針を決めた。この中では、インフラメンテナンスの高度化を図るため、2030年度までに全国の施設管理者が点検に新技術を導入するとした他、建設キャリアアップシステム(CCUS)で建設技能者の処遇を改善し、建設業へ入職者数を23年度までに1万5000人増加させる(17年度比)などとした。
石井啓一国交相を本部長とし、同省幹部を構成員とする生産性革命本部は、国交省が所管する分野で社会全体の生産性を高める施策を生産性革命プロジェクトに位置付けている。従来のプロジェクト31の施策を再編、整理し、新たに56の施策を同プロジェクトに位置付け、重点的に推進する。
深刻化するインフラの老朽化と、老朽化対策を担う担い手不足に対し、ICTを活用したインフラ整備・管理の高度化で対応する。i−Constructionで建設生産プロセスにICTを全面活用することに加え、新技術をインフラの点検に導入する地方自治体を後押し。30年度までに全ての施設管理者が新技術を導入できるようにする。
20年度に「インフラ・データプラットフォーム」を構築し、3次元地図上で国土に関する情報を検索・表示できるようにする。22年度には、経済活動や自然現象のデータも加えた「国土交通データプラットフォーム(仮称)」を構築し、行政サービスの高度化や新産業の創出につなげる。
CCUSを活用して建設技能者が技能と経験で評価される環境を整えるとともに、改正建設業法の「専門工事一括管理施工制度」で技術者配置の合理化も実現。17年度に4万人だった建設業への入職者数を23年度に5万5000人に増やすことを目指す。
提供:建通新聞社