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2019/06/27

ICT活用工事 直轄工事で1000件超え

 国土交通省は、2018年度に直轄工事で実施したICT活用工事の実績を明らかにした。公告件数1948件に対する実施件数は1105件で、実施件数は前年度比20・4%の伸び。公告件数に対するICT活用工事の実施率は56・7%と前年度から14・6ポイント上昇。入札参加者側の受注意欲が高まったことが件数の伸びにつながった。都道府県・政令市(57団体)の実施件数も74・5%増の508件(1月末時点)に増加した。
 直轄工事のICT活用工事は、初年度の16年度に土工を584件で実施(公告件数1625件)。続く17年度は舗装工と浚渫工を対象工種に追加し、57・2%増の918件に実施件数を伸ばした(公告件数2181件)。
 3年目の18年度は、対象工種に浚渫工(河川)を追加し、4工種の実施件数が合計1105件と1000件を超えた。
 同省が受注者向けに行ったアンケート調査(1月末時点)では、ICT土工の対象となる起工測量から電子納品までの延べ作業時間が平均4割削減されたことを確認。こうした効果を実感した入札参加者が、受注者希望型でICT活用を希望する割合が伸びている。
 直轄工事では、19年度も実施件数の増加が見込まれる。法面工、付帯構造物設置工、地盤改良工の3工種を対象に追加したことで、対象工事はさらに増加する。
 一方では、全国の地方整備局に「i−Constructionサポート事務所」も設置し、地域の建設業のICT活用を支援する体制も強化。サポート事務所では、工事全体で3次元データを活用する「ICT−FULL活用工事」も実施し、ICT活用工事の生産性をより高める試みも始める。
 さらに、19年度の積算基準の改定では、ICT土工の積算区分に「5000立方b未満」を新設。地方自治体の発注工事に多い小規模な土工の採算性を改善し、自治体発注のICT活用工事を受注する中小建設業がICT土工を受注しやすい環境も整えている。

提供:建通新聞社