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中央ニュース

2019/06/26

ため池対策など推進 農村整備の方向性示す

 農林水産省は、国土強靱(きょうじん)化や地域振興、情報通信技術の活用といった政府の施策動向を踏まえ、農業農村整備の目指すべき方向性をまとめた。今国会で成立した農業用ため池の管理及び保全に関する法律に基づく防災・減災対策や、農業水利施設の維持管理の担い手である土地改良区の体制強化を推進する。
 強靱化に向けた取り組みでは、災害により農業用水の供給などの基幹的な機能を失う恐れがある施設を対象に、非常用電源設備の設置や施設の耐震化など、対策を早急に講じる。
 特にため池については、適正な補修が行われない場合、豪雨時などに決壊し、下流に被害を及ぼす危険性もある。ため池管理保全法に基づき今後、施設データベースを拡充し、管理体制を強化する。管理が不十分な際は地方自治体が勧告や代執行を実施し、改修や統廃合を進める。
 更新時期を迎えた水路や頭首工、ポンプ施設についても、用水の利用状況を踏まえて統廃合を検討する。引き続き使用する施設については、国の施設情報データベースを地方公共団体や土地改良区と共有し、維持管理の効率化や適切な工法選定に生かす。ドローンを用いた施設点検やICT活用工事も積極的に取り入れる。
 農業水利施設の新設や管理を担う土地改良区の体制強化も取り組み事項に挙げた。4月に施行された改正土地改良法に基づく準組合員制度などを活用し、農業人口が減少する中でも施設管理の担い手を確保する。

提供:建通新聞社