2019/06/21
直轄工事 週休2日実施工事2・8倍
国土交通省は、2018年度に発注した直轄土木工事における週休2日工事の実施状況を明らかにした。週休2日工事の公告件数は6485件で、このうち受注者が週休2日に取り組んだ実施件数は3129件。前年度と比べ、公告件数は1・7倍、実施件数は2・8倍に増加。週休2日工事の実施率も48・2%と前年度より19・5ポイント伸びた。同省は18年度に労務費と機械経費(賃料)に補正係数を導入した効果が表れたとみている。
18年度は、災害復旧、維持工事、工期に制約がある工事を除くほぼ全ての土木工事6485件を週休2日工事として公告した。実施件数3129件の内訳は、発注者指定型が693件、受注者希望型が2436件。
公告件数と実施件数が大幅に伸びたことに加え、受注者が週休2日を希望する工事の割合も増加している。週休2日工事の実施率(公告件数に対する実施件数の割合)は、16年度の20・0%、17年度の28・7%、18年度は48・2%と半数近くまで上昇した。
18年度は、それまでの共通仮設費と現場管理費に加え、労務費と機械経費(賃料)も補正の対象にし、発注者が必要経費を支払うことにした。4週6休以上の現場閉所を実現すると、労務費と機械経費(賃料)に補正係数を乗じて必要経費を支払う。発注者から支払われる必要経費が増えたため、週休2日を希望する受注者が増えたとみられる。
19年度は、これまで週休2日工事の対象にならなかった維持工事で、「週休2日交替制モデル工事」を試行する。維持工事は土日・祝日の作業が求められるため、現場閉所が前提の週休2日工事とすることが難しかった。モデル工事では、技術者・技能労働者が交替で休暇を取得し、平均休日数が4週6休以上になれば労務費を補正する。これにより、週休2日工事の公告件数のさらなる増加につなげる考えだ。
「都道府県・政令市 18年度は56団体で実施」
18年度に入り、週休2日工事を実施する都道府県・政令市も大幅に増えた。18年度末までに週休2日工事を実施したのは、46都道府県と10政令市の合計56団体。このうち、発注者指定型を実施しているのは27団体、労務費などの補正は48団体、工事成績評定での加点は49団体で実施している。