財務省は、首都圏など一部地域で国家公務員宿舎の需要が供給を上回っていることから、不足する宿舎の確保策をハード・ソフト両面で新たに検討する。また、宿舎の老朽化に伴い、10年後には年間約300億円の改修費不足が見込まれるため、大規模改修や既存宿舎の集約を推進する。
財務省は、宿舎の必要戸数を約16万3000戸と定めた国家公務員宿舎削減計画に基づき、11年度以降、約5万6000戸を削減。ただ、地域単位では南関東(東京都と埼玉、千葉、神奈川の各県)をはじめ、北海道や東北、近畿、九州の各財務、沖縄総合事務局の管内で需要が供給を上回っている。また、大規模災害時に職員が確実に参集・対応できるようにするためのBCP用宿舎の必要性も指摘されている。
こうした現状を踏まえ、中長期的な需要が見込めるエリアでは宿舎を建設する。需要変動の大きい場合は借り受けで対応する。
供給過多の地域もあり、老朽度や立地を踏まえて存置する宿舎を選定。余剰な宿舎を廃止・転用する。
また、独身用・単身用の宿舎も需要過多のため、模様替えなどによる対応を検討する。
老朽化対応では、建築年次に応じた周期的な改修を見直し、老朽度や立地、需要を踏まえて改修費を重点配分。大規模改修ではPFI方式など民間活用も検討対象とする。
提供:建通新聞社