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2019/06/12

防災重点ため池6・3万カ所に 農水省

 農林水産省は、水害に備えて重点的な対策が必要な「防災重点ため池」について、西日本豪雨での被害を踏まえた新たな基準に基づき選定したところ、これまでの基準による選定結果の5倍以上となる6万3722カ所となったことを明らかにした。都道府県・市町村と連携し、決壊時の影響を踏まえて補強対策の優先順位を検討していく。ハザードマップの整備やデータベースへの登録などのソフト対策も推進する。
 防災重点ため池は、決壊した場合の浸水区域に住宅や公共施設があり、人的な被害が出る恐れがあるため池。西日本豪雨で決壊した32カ所のため池のうち、防災重点ため池に位置付けられていたため池は3カ所だけだったことから基準を見直した。さらに、今国会では、ため池の管理体制を強化する「農業用ため池の管理及び保全に関する法律」が成立。同法に基づき、新たな基準で選定した防災重点ため池のソフト・ハード対策を推進する。
 ハード対策では、影響度の高いため池を優先し、堤体の補強・液状化対策などの耐震改修と、洪水吐きや取水施設の補強などの豪雨対策を一体的に実施する。また、利用されていないため池の統廃合や容量縮小も推進する。
 避難を促すソフト対策として、ため池の名称と位置などを網羅した地図も作成。ため池データベースに新基準による防災重点ため池を登録していく。ハザードマップの作成や、水位計による監視体制の構築なども自治体と連携して進める。

提供:建通新聞社