国土交通省は6月3日、全国営繕主管課長会議の総会を、都道府県・政令市の担当課長を集めて開いた。住田浩典大臣官房官庁営繕部長が、直轄事業で導入を始めたBIMや施工合理化技術などを例に挙げ「建設業の働き方改革をさらに加速するためには、こうした取り組みを公共建築工事全体に広める必要がある」と強調。会合では、公共建築工事の発注者が総合評価方式を適用するためのマニュアル・事例集を2020年度に改定することを決めた。
住田部長は「建設業では、現場の長時間労働が常態化しており、国交省では必要な環境整備に向けて官民一体で働き方改革を加速する取り組みを進めている」と説明。
直轄の営繕工事で行っている、週休2日工事に対する労務費補正、BIMの活用、情報共有システム(ASP)の活用、施工合理化技術の導入促進などを公共建築工事の発注者に普及できるよう、都道府県・政令市に理解と協力を求めた。
07年1月に策定された「公共建築工事総合評価落札方式適用マニュアル・事例集」は、中央省庁と自治体が総合評価を導入しやすいよう、総合評価の実施手順や様式例を解説したもの。策定後10年以上がたち、直轄工事の総合評価で運用改善が進み、都道府県・政令市の総合評価導入率が8割を超えたことを踏まえ、今後1年かけて見直す。
自治体の技術職員不足を補う発注者支援業務の事例集も見直し、新たに委託業務と事前調査の発注事例19件を追加した。公共建築物への木材利用促進に向けた事例集は、20年5月の次回総会までに見直す。
この他、国交省は会合の中で、今年3月に改訂した「『営繕積算方式』活用マニュアル」について説明。マニュアルは、昨年12月に閣議決定した「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化3か年緊急対策」で公共事業費が増額したことに伴い、自治体発注の入札不調を防止するために小規模工事の積算方法の解説などを充実させた。
提供:建通新聞社