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中央ニュース

2019/05/30

国交省等 警備業との適正取引を要請

 国土交通省と警察庁、公正取引委員会は、建設業団体109団体に対し、警備業との適正取引を求める通知を送った。公取委が行った実態調査で、独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たる取引が一部で確認されたとして、会員企業に違反行為の防止や公正な取引の実現を図るよう要請。具体的には、全国警備業協会が作成した「見積関係書類記載例」を活用し、警備業者との契約内容の明確化を図るよう求めた。
 公取委が行った警備業務の取引実態に関する調査では、独禁法上の優越的地位の濫用規制や下請け法上の問題となり得る行為をした警備業者の取引先のうち70%が建設業者だった。
 調査では「雨天で工事中止になった際、当日朝に連絡があっただけでキャンセル料が支払われない」「『事故防止費』や『安全協力費』の名目で取引額の0・5%の負担を要請される」―といった回答があったという。
 国交省と警察庁の調査でも、追加業務・数量変更・期間延長などが生じた場合、警備業者と変更契約を結ばない建設業者が21・6%、警備計画(人員・配置など)を契約前に定めていない建設業者も31・5%いた。
 こうした実態を踏まえ、全国警備業協会は、警備業者が建設業者に提出する見積書のひな形となる「見積関係書類記載例」を作成した。この中には、警備業法上、契約前に交付すべきとされている項目を記載。具体的には▽警備業務実施計画の確定時期▽警備員の対象業務・対象外業務▽警備料金▽契約変更に関する事項−などを記載し、契約前に両者で合意するとしている。
 このうち、警備料金については、有資格者・無資格者の別に示し、公共工事設計労務単価などの根拠となる単価も記載するよう求めている。

提供:建通新聞社