環境省が行った2018年度「環境にやさしい企業行動調査」の結果から、建設業が国内市場向けに行っている環境ビジネスは「太陽光エネルギー」(66・7%)が抜きん出て多いことが分かった。「次世代省エネ住宅」(29・0%)、「風力エネルギー」(26・1%)、「民生・産業省エネ技術」(24・6%)―などがこれに続いた。環境ビジネスを海外へ展開している建設業は26%(上場企業39・4%、非上場企業15%)にとどまった。
建設業は太陽光エネルギー以外のビジネスでは、上場企業と非上場企業との間に明確な「差異」が見られた。特にエネルギー関連ビジネスの展開に大きな「差異」のあることも分かった。
例えば「風力エネルギー」はビジネスを展開している上場企業が40・6%だったのに対し、非上場企業は13・5%。「水力エネルギー」は25%に対し、5・4%。「地熱エネルギー」は18・8%に対し、2・7%。「地域エネルギー」は25%に対し、2・7%だった。
建設業が海外市場向けに展開しているビジネスは「環境に配慮した不動産」(26・3%)が最も多く、これに「水ビジネス」(21・1%)、「民生・産業省エネ技術」(21・1%)、「次世代省エネ住宅」(同)―などが続いた。
環境ビジネスを促進する上での課題については、建設業の上場企業の51・5%、非上場企業の45%が「技術開発や設備、人材などの経営資源の追加的な投資を考えるとリスクが高い」ことを挙げ、建設業の上場企業の42・4%が「現在の市場規模では採算が合わない」と答えた。
この調査は19年1月28日〜3月15日にかけて、上場企業820社、非上場企業3496社を対象に実施。上場企業は303社(37%)、非上場は884社(25・3%)から回答を得た。
提供:建通新聞社