国土交通省は5月21日、「建設現場で働く人々の誇り・魅力・やりがい検討委員会」を開き、災害復旧に従事する技術者・技能者が統一したビブス・ユニホームを着用したり、QRコードを活用した工事銘板などを全国に展開する考えを示した。工事銘板にQRコードを追加し、インフラ整備の背景、工事に従事した技術者・技能者名を記載したサイトに誘導する。
検討委は、建設業の魅力を対外的に発信し、技術者・技能者の誇りとやりがいを高める施策を提言するため、昨年11月に発足した。6月中に開く次回の会合で提言をまとめる。
国交省は21日の会合で、建設現場に携わる技術者・技能者が理念と価値観を共有した上で、建設業の魅力を発信する戦略を立てる必要があると強調。戦略に基づいて統一的に活動するため、発注者、受注者(建設業、建設コンサルタントなど)、有識者が地域単位で推進体制を構築することを提案した。
その上で、全国で展開する具体的な施策として、災害時の建設業の活動を周知する着用物(ビブス、ユニホーム)を統一することに加え、インフラ整備の意義や効果、現場従事者を周知するための工事銘板を充実させるなどとした。
工事銘板については、すでに関東地方整備局が、記載する技術者を増やすよう運用基準を見直している。また、QRコードでサイトに誘導し、動画の視聴などもできる「QR銘板(仮称)」を全国に展開する。技術者・技能者の家族を現場や開通式に招待することも提案した。
会合では「ビブスを統一する際には、着る人のモチベーションがあがり、すぐに建設業と分かるデザインにしてほしい」「まずは賃金が大切。汚くてもきつくても、賃金が確保されていれば仕事をするのがわれわれの業界」「業界が足並みをそろえ、単一のイメージを打ち出す必要がある」といった意見が上がった。
提供:建通新聞社