土木学会(小林潔司会長)は「2018年度土木学会賞」(11ジャンル、114件)を選定した。このうち土木技術や社会の発展に寄与したと認められる計画、設計、施工または維持管理などの技術の中から画期的な個別技術をたたえる「技術賞」(Iグループ)には「複雑な函体構造と多様な交差物件を有する極めて大規模な開削道路トンネル工事における、併用時期の確保に向けた取り組み(東京外環自動車道市川中工事)」(東日本高速道路、鹿島・大林・鉄建特定建設工事共同企業体、パシフィックコンサルタンツ)など11の業績に贈ることを決めた。
一方、画期的なプロジェクトを顕彰する「技術賞」(Uグループ)には、東京外かく環状道路三郷南IC〜高谷JCT間の整備事業(国交省関東地方整備局首都国道事務所、東日本高速道路関東支社さいたま工事事務所、同千葉工事事務所)など七つのプロジェクトを選んだ。
<Tグループ>
▽大断面シールドトンネルにおける超近接・長距離掘進〜同時施工掘進技術実績―阪神高速道路 大和川線シールドトンネル工事(阪神高速道路建設・更新事業本部堺建設部、鹿島建設関西支店
▽高耐震性パイルベント橋脚の開発及び全面的なプレキャスト化による迂回路高架橋の急速施工-首都高速1号羽田線東品川桟橋・鮫洲埋立部更新事業(首都高速道路)
▽下水道工事における国内最大規模の凍結工法を用いたシールドトンネルの拡幅と地中接合工事―隅田川幹線工事(東京都下水道局第一基幹施設再構築事務所、東急建設)
▽保線におけるモニタリング技術の実用化と維持管理への応用(東日本旅客鉄道、日本線路技術、鉄道総合技術研究所、川崎重工業、日立ハイテクファインシステムズ、JR東日本情報システム
▽福島第一原子力発電所陸側遮水壁における世界最大級の凍土壁の造成と運用(東京電力ホールディングス、鹿島建設)
▽地産骨材に対し実効性の高いASR抑制対策を用いた鉄道高架橋の構築技術(東日本旅客鉄道上信越工事事務所、新潟生コンクリート協同組合、大成・大日本土木共同企業体、鉄建・前田・東亜・加賀田組共同企業体、鹿島・西松・福田共同企業体、第一建設工業新潟支店、東鉄工業新潟支店新潟軌道工事所)
▽ハイブリッドハーフプレキャスト構造による大断面ボックスカルバートの省人化・省力化-東京外環自動車道 京葉ジャンクションAランプ(東日本高速道路関東支社千葉工事事務所、清水・前田・東洋特定建設工事共同企業体)
▽営業地下鉄駅の大規模改良工事における機械化とプレキャスト化による施工合理化の取り組み(大江戸線勝どき駅改良土木工事)(東京都交通局、大成・佐藤・大豊建設共同企業体)
▽複雑な函体構造と多様な交差物件を有する極めて大規模な開削道路トンネル工事における、併用時期の確保に向けた取組み(東京外環自動車道市川中工事)(東日本高速道路、鹿島・大林・鉄建特定建設工事共同企業体、パシフィックコンサルタンツ)
▽都心ターミナル駅において極めて複雑かつ困難な制約条件を克服した大規模線路切換(列車を止めての46時間連続工事―JR渋谷駅改良 第1回線路切換)(東日本旅客鉄道東京工事事務所、国交省東京国道事務所、鹿島建設・清水建設共同企業体、鉄建・東急・東鉄建設共同企業体、交通建設東京支店新宿第2工事所、JR東日本コンサルタンツ)
▽大規模駅構内における活線下での大口径場所打ち杭施工―千葉駅改良・駅ビル建替工事(東日本旅客鉄道東京工事事務所、大成建設、鉄建建設、JR東日本コンサルタンツ)
提供:建通新聞社