2017・18年度に現場の週休2日に取り組んだ直轄の営繕工事のうち、7割の現場が4週8休を達成できたことが、国土交通省が受注者向けに行ったアンケート調査で分かった。週休2日を達成できた理由には、適正な工期設定や適切な工事間調整を挙げる受注者が多かった。同省では、2019年度から情報共有システム(ASP)を本格的に活用して受発注者間の協議を迅速化するなど、調査結果を踏まえた改善策を講じる方針だ。
直轄の営繕工事では、17年度に延べ1000平方b以上の新築工事を対象に、土日祝日の現場閉所を行った際の阻害要因を把握するモニタリング調査を開始。18年度には、現場閉所の状況に応じた労務費補正の試行も始めた。
アンケート調査は、17年度に8件、18年度に63件を発注した週休2日工事を対象に実施し、このうち今年2月までに工事を完了した23件の状況を中間報告としてまとめた。調査結果によると、23件の工事のうち、4週8休を実現できた工事は16件、4週7休はゼロ件、4週6休は3件、4週6休以下は4件だった。
4週8休を実現した受注者からは「適正な工期設定」を達成の理由とする回答が最も多く「余裕期間内に協力業者との打ち合わせを行うことができた」といった声も聞かれた。達成理由の中で次いで多かったのは「円滑な協議の実施」。ASPを活用し「発注者や設計監理を担う設計事務所との協議を迅速化した」との回答もあったという。
一方、週休2日を達成できなかった理由としては、庁舎を『居ながら改修』する際の施工上の制約を挙げる受注者が多かった。入居官署の希望で作業が休館日に限られ、結果的に週休2日を実現できないケースもあったという。前工程である建築工事の工期の遅れが影響し、後工程の設備工事で週休2日を達成できない事例もあった。
国交省は、今回の調査結果を踏まえて週休2日工事の改善を図る。受発注者間の協議を迅速化する効果を確認できたASPは、19年度から本格的に活用。余裕期間制度は、原則として全ての工事で活用する。入居官署に対しても、受注者の週休2日に配慮するよう、改めて理解と協力を求める。
提供:建通新聞社