建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録の申請件数が伸びている。2月に4575件だった技能者登録の申請は、本運用を控えた3月に約4倍の1万8472件に増えた。国土交通省は「建設技能者の能力評価制度」の構築などでCCUS登録のインセンティブを高め、技能者登録をさらに伸ばしたい考え。運営主体の建設業振興基金は、申請書の改訂などで申請時の不備の発生を抑制し、申請からカード発行までの期間短縮も図る。
CCUSの技能者登録の申請件数は累計4万8328件、登録件数は2万1025件(いずれも4月5日時点)となった。1〜3月に限定運用を行っていた日本建設業連合会(日建連)の会員企業を中心に4月以降の現場運用に向けた準備が進み、このことが3月の申請件数の伸びにつながったようだ。
一方、昨年5月に事業者・技能者登録の申請受付が始まって以降、登録手続きの遅れが指摘されている。ただ、2月に3950件だった技能者登録も3月には7525件に伸びており、手続きの円滑化に向けた改善が進んでいる。
登録の遅れにつながる申請時の不備は発生率が平均90%に上っており、振興基金は登録申請書を改定し、不備の発生率が高い項目(社会保険加入状況、保有資格など)を簡素化するなど、発生率を少なくとも50%に低下させることを目指している。すでに、登録申請書に行政書士の記名・押印欄を設け、事業者の代理で行政書士が申請手続きを行いやすくした。
国交省も、3月29日までに「建設技能者の能力評価制度」を告示し、CCUSに登録した技能者の4段階評価に向けた下地を整えた。今月1日からは、専門工事業団体が策定する職種別の能力評価基準の申請も受け付けている。2019年度には、能力評価を自動化する「レベル判定システム」を国費で開発するとともに、職長クラスの技能者向けに特別講習も開き、受講者が無料で能力評価を受けられるようにする。
提供:建通新聞社