国の主な発注機関でつくる中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)は3月28日、低入札価格調査基準の「中央公契連モデル」を改正した。国土交通省の直轄工事で低入札価格調査基準の設定範囲を予定価格の75〜92%に引き上げたことに伴う措置。国交省と総務省は29日、地方自治体に対しても、モデル改正を踏まえた低入札価格調査基準と最低制限価格の見直しなどにより、ダンピング対策を強化するよう要請した。
中央公契連は、国交省、農林水産省、防衛省などの中央省庁の他、独立行政法人や高速道路会社などの発注機関89機関が参加し、入札契約制度の運用について連絡調整を行っている。低入札価格調査や指名停止などでモデルをつくり、統一的な基準で制度を運用している。
国交省は低入札価格調査基準を見直し、工事の調査基準価格の設定範囲を現行の予定価格の70〜90%から、75〜92%に引き上げた(4月1日の入札公告から適用)。中央公契連も国交省の基準に合わせてモデルを改正し、各発注機関が基準を順次見直すことを採択した。
中央公契連モデルを採用する自治体も多いことから、国交省と総務省は28日、基準見直しによってダンピング対策を強化するよう、入札契約適正化法に基づく通知を全自治体に送付した。
通知では、入札金額に応じて調査基準価格と最低制限価格を変動させるなど、独自基準を採用する自治体にも見直しを要請。こうしたケースでは、調査基準価格や最低制限価格が中央公契連モデルよりも低い水準になるとして、改善を求めた。
ダンピング対策の実効性を確保するため、調査基準価格を下回る入札を失格とできる「失格基準」の積極的な活用も求めた。失格基準を調査基準価格に近づけ、適正な施工に懸念のある建設業者を排除すべきとした。
国交省の直轄事業では、工事とともに、測量と地質調査の低入札価格調査基準も見直した。自治体に対しても、調査・設計分野でも基準を改定し、ダンピング対策を強化するよう求めた。
提供:建通新聞社