国土交通省が2018年度に週休2日工事として公告した直轄工事4530件(18年11月末時点)に対し、実際に現場の週休2日に取り組んでいる工事の割合は52・0%となり、前年度の実施率を23・3ポイント上回った。週休2日工事の9割を占める受注者希望型の工事で、週休2日を選択する受注者が大幅に増えた。週休2日補正の対象として18年度に労務費を追加したことが、週休2日を選択する受注者の増加につながった。
直轄工事では、災害復旧や維持工事、工期に制約がある工事などを除き、週休2日工事の対象としている。18年度は11月末時点の公告件数が4530件と17年度末時点を17・9%、16年度末時点を449・7%増となっており、対象工事が大きく伸びている。
公告件数のうち、受注者が週休2日を選択した工事は2359件(発注者指定型含む)となり、前年度比113・3%増となった。公告件数に対する実施率は前年度の28・7%から52・0%に上昇している。
直轄工事では、週休2日工事での工事成績評定の加点を16年度にスタートし、翌17年度には共通仮設費と現場管理費に対する補正措置も導入。18年度はこの補正の対象に労務費と機械経費(賃料)を追加し、4週6休以上の現場閉所を実現した工事には、現場閉所率に応じた補正係数を乗じ、事後精算で増額分を支払うようにした。
工事費約2億円の工事で4週8休の現場閉所を実現すると、補正の額は約1200万円になるといい、直接工事費の約3割を占める労務費に補正を導入したことで、その他の経費と合わせて全体工事費の6%分を増額できるようになった。
国交省は、週休2日工事の実施率が18年度に大きく伸びた背景には、労務費などに補正措置を拡大した効果があるとみている。建設現場の週休2日をさらに拡大するには引き続き補正の必要があると考えており、19年度も現在の補正を継続する方針を固めている。
提供:建通新聞社