国土交通省は3月14日、レオパレス21が施工した賃貸アパートの建築基準法違反を受けた「共同住宅の建築時の品質管理のあり方に関する検討会」の初会合を開いた。会合の中で国交省は、法令違反のあった物件の設計図書は適法だったものの、設計図書の仕様を満たさない施工が行われたことを問題視。工事監理制度と建築確認検査制度の見直しを検討する方向性を示した。
レオパレス21は2月7日、1996年6月〜2001年8月に着工した賃貸アパート1324棟で、法定仕様に適合しない界壁・外壁・天井が見つかったと発表。国交省は、問題のあった全棟の改修工事の実施、外部の有識者を交えて原因究明と再発防止策の検討を指示した。
14日に初会合を開いた検討会は、同社が報告する原因究明の検証に加え、今回の法令違反を受けた制度の見直しについて、有識者らに意見を聞く。
具体的には、設計者が設計図書と工事内容を照合するために行う工事監理の在り方を検証。14日の会合で国交省は、構造計算書偽装問題を受けて09年に策定した「工事監理ガイドライン」などについて説明した。建築主に義務付けられている中間検査と完了検査の在り方も検討する。
国交省は今後、賃貸アパートの供給戸数が年間1000戸以上ある大手事業者10数者を対象に工事監理や品質管理の実態を調査する。検討会はこの調査結果も踏まえ、夏までに必要な制度上の対応を提言する。
提供:建通新聞社