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2019/03/14

土木工事積算基準 現場管理費率を引上げ

 国土交通省は、2019年度の土木工事積算基準の改定で、現場管理費率を見直した。ICT施工に伴う外注経費の増加などを踏まえ、全工種区分で現場管理費率を引き上げる。直接工事費2億円の河川・道路構造物工事では現場管理費を100万円上乗せする効果があるという。現場管理費には、現場で熱中症対策を実施するための補正措置も新たに実施する。小規模なICT土工の採算性を改善するため、土工の施工土量の区分に「5000立方b未満」も新設する。4月1日以降に入札書の提出締切日が設定されている工事から適用する。
 現場管理費率は、ICT施工などで外注経費が上昇している実態を踏まえ、全工種区分で「42・50%〜20・11%」に引き上げる。純工事費700万円以下で現在の41・29%を42・50%、10億円以上で19・88%を20・11%に引き上げる。直接工事費2億円の河川・道路構造物工事では、諸経費率を0・5%上昇させ、現場管理費を100万円上乗せする。
 現場の熱中症対策費を上乗せするため、現場管理費の補正を追加する。工期に占める真夏日(最高気温30度以上)の割合に応じて現場管理費を補正し、事後精算で対策費を支払う。直接工事費2億円の河川・道路構造物工事では、補正によって現場管理費が43万円上昇する。
 小規模なICT土工の採算性を改善するため、土工(掘削)とICT土工(掘削)の積算区分に施工土量「5000立方b未満」を新設する。5000立方未満の小規模土工事の発注が多い自治体に採用を促し、ICT施工にチャレンジする中小企業が利益を上げやすい環境を整える。
 建設現場の週休2日の実現に向け、現場閉所の状況に応じた労務費、機械経費(賃料)・共通仮設費・現場管理費の補正係数は継続して実施。交替制で週休2日を実現した場合、休日率に応じて労務費を補正するモデル工事も試行する。
 設計業務の積算基準の改定では、旅費交通費を率計上で算出できるようにする。「旅費交通費率」として▽測量業務0・56%(上限23万円)▽地質調査2・14%(同102万6000円)▽土木設計業務0・63%(同24万4000円)▽調査・計画業務1・49%(同59万7000円)―を設け、直接人件費・直接調査費に乗じて旅費交通費を算出する。
 土木工事標準歩掛には「法面工(仮設用モルタル吹付工)」を新たに制定した他、維持修繕関連の3工種と日当たり施工量・労務・資機材が変動した9工種を改定。施工パッケージも、土工(ICT)など既存17工種を改定した。

提供:建通新聞社