国土交通省は、2016年度に受注された土木工事を対象とする「建設資材・労働力需要実態調査」の結果を発表した。調査結果によると、金額原単位(請負工事費100万円当たりに必要な建設資材量)はセメントと生コンクリートで上昇に転じたものの、全体として変化はない。資材価格の上昇が続き、原単位当たりの資材の使用量が減少する傾向にあるという。
この調査は、建設資材と労働力の建設工事における原単位を把握するために3年に1度実施している。原単位は、生産性の向上(施工技術の進歩・合理化、新工法の開発、建設資材の品質向上など)や資材価格の変動により、経年で変化する。
10年前の06年度と比べ、セメントの原単位は27%減、生コンは42%減と長期的には減少傾向にある。ただ、前回調査(14年度)と比べると、セメントが10・3%増、生コンが7・6%増といずれも増加に転じた。
この他の調査対象は、鋼材(2%減)、骨材・石材(9・4%減)、瀝青材(15・3%減)といずれも減少している。
一方、就業者の原単位も8・1%減の前回調査から低下している。人件費の上昇で原単位当たりで投入できる労働力も減少傾向にある。
提供:建通新聞社