政府は3月12日、課徴金減免制度(リーニエンシー)の見直しを柱とする独占禁止法改正案を閣議決定した。談合などの違反行為を自主的に申告した企業に対する課徴金減免制度には、事業者が提出した証拠の価値に応じた減算率を付加できるようにする。最大5社に限定していた減免対象の上限を撤廃し、調査に協力した全事業者に課徴金減免の機会を与える。
課徴金減免制度は、入札談合などに関与した事業者が自主的に公正取引委員会の調査に協力すると、課徴金の全額免除や減免を受けられる仕組み。現行制度では、減免率は申請順位に応じて固定され、事業者の実体解明への協力度は反映されない。
法改正により、事業者が自主的に提出した証拠の価値に応じ、課徴金を最大40%減額できる「減算率」を導入する。提出された証拠の価値を評価するガイドラインも整備する。
申請順位に応じた減免率は、最大5社としている適用対象の上限の撤廃に伴い、申請順位2位の減免率を現行の50%から20%、申請順位3〜5位を30%から10%に引き下げる(いずれも調査前)。6位以下の減免率は一律5%に設定する。
この他、課徴金の算定基礎と算定率も見直す。調査開始前の3年としている算定期間は、10年前までさかのぼることができるようにする。業種別の算定率は廃止し、基本算定率(10%)に一本化する。課徴金の割り増し対象として、調査妨害の要求などを追加する。
改正法は公布後1年6カ月以内の施行を予定している。
提供:建通新聞社