国土交通省は、直轄の測量・地質調査・建設コンサルタント業務で、2019年度からWeb会議システムの適用を拡大する。遠隔地にいる受発注者がWeb会議システムで打ち合わせを行い、担当する技術者の労働時間を減らして働き方改革につなげる。業務のプロポーザル方式や総合評価方式の配置予定技術者に対するヒアリングにもWeb会議システムを導入し、競争参加者の負担を軽くする。
5年の猶予期間がある建設業と異なり、建設関連業には時間外労働の罰則付き上限規制が今年4月から適用される。
建設コンサルタンツ協会が会員企業に所属する技術者の1カ月間の労働時間を調べたところ、出張・打ち合わせ、検査による労働時間が全体の約4割を占めており、ICT技術の活用で労働時間の削減を後押しする。
直轄事業では、国交省と建コン協が協力し、沖縄総合事務局発注の詳細設計業務でWeb会議システムを18年度に試行。Web会議システムを使った打ち合わせでは、BIM/CIMモデルの遠隔操作なども行われたという。
他分野の専門家やCIMオペレーターら、受発注者以外の関係者が打ち合わせに参加しやすくなったり、日程調整が容易になるといった効果も期待できるため、19年度はこの試行の適用業務を増やす。受発注者の打ち合わせに加え、総合評価とプロポーザルの受注者選定で行われるヒアリングにもWeb会議システムの適用を広げる。
調査・設計業務の働き方改革に向けては、適正な履行期間の設定を支援する「業務スケジュール管理表」を計画系業務に19年度から適用。ゼロ国債を活用した業務サイクルの見直しも進め、履行期限の平準化に取り組む。現在は、3月納期の業務を全体の50%以下などとしている平準化の将来目標も新たに設定する。
提供:建通新聞社