国土交通省は、2018年度のICT活用工事の実施状況(1月末時点)をまとめた。これによると、直轄工事では公告件数1645件のうち47・7%に当たる785件でICTを実際に活用。公告件数に対する実施件数の割合は前年度よりも5・6ポイント上昇した。ICT土工の作業時間は、5000立方b未満の小規模施工で従来施工より4割縮減する効果を確認した。
直轄工事におけるICT活用の実施件数は、ICT土工が669件と最多で、ICT舗装工の56件、ICT浚渫工の52件が続いた。18年度に新たに導入したICT浚渫工(河川)の実施件数は8件だった。
一方、都道府県・政令市の発注工事(ICT土工)では公告件数が2297件、実施件数が508件となり、1月末時点で前年度の公告・実施件数を大きく上回っている。
直轄工事のICT土工の受注者を対象に実施したアンケート調査では、従来施工よりも作業時間を約3割縮減する効果を確認した。建設機械に接近した作業や傾斜地での測量・施工管理作業が減少し、安全性が向上したという回答もあった。
また、施工土量が5000立方b未満の小規模施工に限定すると、作業時間は約4割減少。小規模施工では、施工だけでなく、起工測量や出来形管理など施工以外の作業時間を削減する効果が高い傾向にある。
提供:建通新聞社