国土交通省は、昨夏に発生した大規模な自然災害の被害状況を受け、水災害・地震対策を強化する方針を決めた。政府が昨年12月に閣議決定した「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」を踏まえた措置。1月29日に開いた会合で、石井啓一国交相は「総力を挙げて防災・減災対策、国土強靱化に取り組む」と述べ、出席した同省幹部に対応を指示した。
1月29日、同省の「水災害に関する防災・減災対策本部」と「南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部」の合同会議を開き、同省の水災害と地震対策に関する計画を改定し、3か年緊急対策を反映させることを決定した。
28日召集の通常国会には、3か年緊急対策の初年度分の経費を計上した18年度第2次補正予算案が提出されており、予算成立を見据えて対策を本格化させる。
水災害に対する防災・減災対策では、20年度までに取り組むべき「『水防災意識社会』の再構築に向けた緊急行動計画」を改定。西日本豪雨での被害を受け、土砂・洪水氾濫への対策(砂防堰堤・遊砂池整備、河道断面の拡大など)、家屋・重要施設の保全対策(樹木伐採、河道掘削など)、本川と支川の合流部対策(堤防強化、堤防の嵩上げなど)のハード対策を充実させる。
南海トラフ地震と首都直下地震の対策計画も改定した。大阪北部地震で倒壊被害が出たブロック塀の安全対策を強化し、耐震診断の義務化、地方自治体・所有者への財政支援策などを講じる。
提供:建通新聞社