日本建設業連合会(山内隆司会長)は、「建設工事における墜落制止用器具(通称「安全帯」)≠ノ係る『活用指針』」をまとめた。2月1日施行の、フルハーネス型の墜落制止用器具の使用を基本とする法令改正に対応するもの。従来の胴ベルト型安全帯の利点も踏まえ、想定される落下距離に応じたフルハーネス型と胴ベルト型の使い分けの必要を強調し、選択の具体例などを示した。
今回の法令改正では、「安全帯」の名称を「墜落制止用器具」に変更。ワークポジショニング用器具である「胴ベルト型(U字つり)を除き、「胴ベルト型(1本つり)」と「フルハーネス型(1本つり)」の2種類を「墜落制止用器具」として認めることにした。さらに、「フルハーネス型」の使用を原則とするとともに、「フルハーネス型」の着用者が墜落時に地面に到達する恐れのある場合(高さ6・75b以下)では「胴ベルト型」を使用できるとしている。
一方、日建連がまとめた活用方針では、「胴ベルト型安全帯の着用は安全文化として定着している」と指摘。安全帯の着用・使用に関する基本的な方針として@有効な安全文化「胴ベルト型安全帯の原則着用」の保持・継続A法令・ガイドラインの順守と落下距離などに応じた適切な選定―を掲げた。
落下距離に応じた選定に関しては、「高さ5b以下のように、万一の墜落時にフルハーネス型安全帯を着用している労働者が地面に到達する恐れがある場合には、フルハーネス型でなく、胴ベルト型を着用していた方がより安全な場合があり得る。そのため、想定される労働者の落下距離などに応じた適切な安全帯を選定する必要がある」としている。
提供:建通新聞社