国土交通省は1月24日、国土審議会土地政策分科会特別部会を開き、土地を適切に利用・管理する所有者の責務の明確化を求める、提言のたたき台を示した。所有者が責務を果たしていない「放置土地」について、土地の共有者による土地の利用・処分、公共目的での利用・管理や取得を円滑化にするよう求めている。
特別部会は、2017年12月に所有者不明土地の利用の円滑化を図るよう提言。国交省はこの提言を踏まえ、所有者不明土地に公的利用を促進する「地域福利増進事業」などを創設する特別措置法を制定した。
18年9月に再開した特別部会では、所有者不明土地の利用促進策に続き、土地制度の見直しも見据えた所有者不明土地の発生抑制策を検討している。
提言のたたき台では、所有者自身が土地を適切に利用・管理する責務を法的に位置付け、この責務を果たさずに放置された「放置土地」で、所有者権の制限を伴う措置を講じるよう提案。放置土地が及ぼす近隣住民や地方自治体への悪影響を排除するため、所有者に費用負担を求める手続きを創設したり、公共目的の利用・管理、取得を円滑化するべきとした。
所有者が責務を果たせるよう、国・自治体からの支援措置を充実させる必要性も指摘。所有者に適切な管理を促す行政指導、管理委託のあっせん、土地取引のマッチング機能の強化などに加え、登記の促進や地籍調査の推進を支える情報基盤を整備することも求めた。
提供:建通新聞社