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2019/01/23

債務負担活用 市区町村3割に満たず

 国土交通省・総務省・財務省は、入札契約適正化法に基づく実施状況調査(2018年8月1日時点、一部3月31日時点)をまとめた。調査結果によると、施工時期の平準化に効果のある債務負担行為では、初めて全ての都道府県が「積極的に活用している」と回答したが、市区町村(政令市除く)は447団体と全体の3割に満たなかった。土日現場閉所の「完全週休2日モデル工事」を実施している市区町村は35団体で、全市区町村の2%にとどまっている。
 調査は、全ての公共工事の発注機関を対象に3省が毎年度実施している。対象機関の数は国19機関、特殊法人など124法人、自治体1788団体(47都道府県、20政令市、1721市区町村)の合計1931機関。
 主な調査項目に対する回答状況を見ると、ダンピングを防止する最低制限価格と低入札価格調査をいずれも導入していないのは109機関で、前年度から17機関が新たに制度を導入した。予定価格の公表時期は事後公表が1150機関(45機関増)、事前公表(非公表含む)が781団体(45機関減)となり、事後公表への移行が徐々に進んでいる。
 社会保険未加入対策では、競争参加資格審査の段階で未加入企業の申請を受け付けない発注機関が1216機関(127機関増)と全発注機関の62・9%まで対策が浸透。入札段階で未加入の下請けとの契約を禁止する発注機関は655機関となり、前回の調査から222機関が新たに導入した。
 施工時期の平準化を目指し、債務負担行為を積極的に活用していると回答した発注機関は554団体で、前年度の調査から77機関増えた。このうち都道府県は前年度から6団体が増え、全47都道府県が積極的活用していると答えた。政令市は京都市を除く19団体(2団体増)が活用しているが、政令市を除く市区町村では447団体(63団体増)と、全市区町村の26%にとどまった。
 一方、同じく施工時期の平準化を図るため、「速やかな繰越し手続き」を実施している自治体は490団体。全体に占める割合は27・4%にとどまっているが、前年度から179団体増の大幅な伸び。中でも、市区村が前年度の272団体から170団体増となる442団体に増えた。
 建設業の働き方改革を目指し、現場を土日に閉所する完全週休2日モデル工事を実施している発注機関は56機関(国4機関、特殊法人1法人、都道府県13団体、政令市3団体、市区町村35団体)。土日完全閉所ではない週休2日モデル工事を加えても、108機関と全発注機関の5・6%にとどまる結果が出ている。

提供:建通新聞社