政府は、2018年度から3年間を対象とした「防災・減災、国土強靭(きょうじん)化のための3か年緊急対策」を効果的に進めるため、国土強靱化年次計画2019の中で、事業費と箇所数に基づく進捗(しんちょく)管理を行うことにした。1月16日に都内で開いたナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会で今後の方向性を示した。
3カ年緊急対策では、総額約7兆円を投じて20年度までの3年間で集中的にハード・ソフト対策を行う。対策の内容は、堤防の強化やブロック塀の安全対策、ため池整備など160項目。
懇談会では、緊急対策の施策ごとに進捗の指標を定め、事業費と箇所数を踏まえて進捗管理を行うとする対応案が示された。
また、「必要不可欠な行政機能は確保する」など八つの目標を定めた国土強靱化基本計画の進捗を管理するため、新たにベンチマーク指標を設けることも議論。住宅・建築物の耐震化率や、海岸堤防の整備率、堤防の嵩上げを実施した区間の延長といった指標の候補を提示した。
さらに、19年度に議論すべき新たな戦略的政策課題についても話し合った。テーマの候補には「重要インフラの民間管理と強靱化」や「風土・自然条件に逆らわない土地利用・地域経済への変化」などが挙がった。
新たな年次計画の素案は5月にまとめる。
提供:建通新聞社