復興庁は、東日本大震災からの復興基本方針の中で位置付けた「復興・創生期間」が2020年度で終了することから、21年度以降を見据えた課題と取り組み事項をまとめた。地震・津波被災地域でのハード事業については「ほぼ完了」と評価。完成がずれこむ可能性のある一部事業については完了まで引き続き支援する。原子力災害被災地域については、復興・再生へ中長期的な対応が必要だとし、21年度以降も引き続き国が前面に立って取り組むことを明記した。
20年度末には同庁自体も設置期限を迎える。同庁は「『復興・創生期間』における東日本大震災からの復興の基本方針」を18年度内に見直し、その中で21年度以降の取り組み事項とともに、同庁の後継組織の在り方についても方向性を示す。
地震・津波被災地域での取り組みについては、生活インフラがほぼ復旧し、住まいの再建も18年度でおおむね完成する見込みであることを確認。今後は、復興事業により強化されたインフラを生かし、地方創生をばじめ政府全体の施策を活用して持続可能な地域社会の構築を目指す。
完成がずれ込む可能性のあるハード事業については、完了するまで国が支援することを求める自治体の声に可能な限り応えていく方針も示した。
原子力災害被災地域では、国が前面に立ち、廃炉・汚染水対策を引き続き推進するとともに、中間貯蔵施設についても用地取得と施設整備、除去土壌の輸送を進め、県外最終処分に向けた土壌の減容・再生利用に取り組む考えだ。
他方、福島県の浜通り地域を対象とした福島イノベーション・コースト構想など、産業集積に向けた環境整備については、21年度以降の対応が必要、との見方を示した。
提供:建通新聞社