国土交通省は12月18日、自民党国土交通部会に2019年度当初予算案(同省関係分)を報告した。公共事業費は前年度比15・1%増の5兆9663億円で、消費税率の引き上げに伴う経済対策「臨時・特別の措置」で7153億円を上乗せし、微増を続けていた過去5年を大幅に上回った。臨時・特別の措置では、14日に閣議決定した「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」の2年目の経費を計上し、頻発・激甚化する自然災害を防ぐ集中的な追加投資を行う。政府は21日に予算案を閣議決定する。
一般会計には18・1%増の6兆8609億円、東日本大震災復興特別会計には1・5%増の4632億円を計上する。財政投融資には2兆3745億円を確保し、高速道路の暫定2車線対策や関西国際空港の防災対策を推進する。
19年度当初予算案は、消費増税に伴う経済対策の「臨時・特別の措置」に9393億円(うち公共事業費7153億円)が上乗せされ、前年度額を大幅に上回った。臨時・特別の措置の内訳は、今夏の自然災害を受けた「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の7308億円、消費増税に伴う住宅の需要変動を平準化させる「住まい給付金」と「次世代住宅ポイント制度」の2085億円。
緊急対策の関連では、「治山治水」の予算が31・8%増と最も伸び率が高く、予算額も1兆0297億円と1兆円台に乗せた。水防災意識社会の再構築に向けた水害対策に6030億円などを投じる。道路整備は15%増の1兆5491億円で、災害時の人流・物流の確保に4318億円を充て、道路の斜面・盛土対策や耐震補強などを推進する。
地方の防災・減災やインフラの老朽化対策を支援する防災・安全交付金には18・5%増の1兆3173億円を措置した。
合わせて、地域の防災力の強化やインフラの老朽化対策を進める自治体を集中的に支援する個別補助制度も拡充し、総額1500億円を確保する。
ストック効果を高めるアクセス道路の整備、民間投資を誘発するインフラ整備を後押しする社会資本整備総合交付金は1・9%減の8713億円とわずかに減少した。
建設現場の生産性を向上するi−Constructionには前年度額の2倍となる33億円を盛り込んだ。公共工事における新技術の開発・現場導入、人工知能(AI)やロボットの活用、ICT施工の中小建設業への普及加速などに充当する。
提供:建通新聞社