2018/12/06
国土強靱化 基本計画改定で素案
政府は12月5日に開いた「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」に、年内に閣議決定する国土強靱(きょうじん)化基本計画改定の素案を報告した。近年の自然災害で得られた教訓を反映し、気候変動の影響を踏まえた治水対策、高速道路の暫定2車線区間の4車線化、電力供給の強靱化などを推進する方針を追加する。
基本計画を策定した2014年度以降の自然災害の検証作業で得られた知見、今年6月以降の災害を受けて行った重要インフラの緊急点検の結果を反映させる。
素案では、想定を上回る規模の豪雨災害が頻発している現状を踏まえ、気候変動の影響を踏まえた治水対策を講じると明記。西日本豪雨で発生した土砂災害により、高速道路が通行止めになったことを受け、暫定2車線区間の4車線化を進める方針も示した。
北海道胆振東部地震で発生した大規模停電(ブラックアウト)を防止するため、電力供給の強靱化にも取り組むとした。
優先順位の高い「15の重点すべきプログラム」のうち、▽大規模火災による多数の死傷者の発生▽医療施設の不足、支援ルートの途絶▽エネルギー供給の停止―などについては、特に緊急に実施すべき対策に位置付ける。 これらの対策については、緊急点検の結果を踏まえて年内にまとめる「国土強靱化、防災・減災のための3カ年緊急対策」で、達成目標、実施内容、事業費などを明示する。
提供:建通新聞社