国土交通省は、直轄の測量業務、地質調査業務、建設コンサルタント業務で働き方改革を推進するため、履行期限の平準化を図る。3月に履行期限を迎える業務は依然として全体の50%台にとどまっており、業務の種類別に目標を設けて年度末納期の集中を回避する。長時間労働の是正に向け、発注者からの勤務時間外の作業依頼を禁止する「ウィークリースタンス」や、受発注者の打ち合わせへのウェブ会議などの導入も検討する。
11月29日、「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」に設置した「業務・マネジメント部会」の初会合を開き、有識者らにこうした考えを示した。
直轄事業で履行期限を3月とする調査・設計業務は50・8%(2017年度実績)。平準化に取り組み始めた11年度からは12・1ポイント低下しているものの、依然として半数以上の履行期限が3月に設定されている。
測量業務(34・6%)と地質調査業務(34・5%)に比べ、履行期限を3月とする土木コンサルタント業務は56・2%と高く、さらに土木コンサルタントの中でも「検討業務」が65・2%と最も高くなっている。
国交省は現在、業務の履行期限を平準化するため、履行期限を4〜12月とする業務を25%以上、1・2月を25%以上、3月を50%以下とする目標を定めている。業務の種類ごとに異なる実態を踏まえ、種類別に平準化の目標を設けることを検討する。また、国債や繰り越し手続きの活用を拡大するため、業務の完了月で目標を設定することも考えている。
一方、受注者の長時間労働の是正に向けて「ウィークリースタンス」や「ウェブ会議」の導入も検討する。ウィークリースタンスは、発注者が勤務時間外や週初めを提出期限とする作業依頼、午後4時以降の打ち合わせなどを禁止する取り組み。これに加え、ウェブ会議を導入して受発注者の打ち合わせを効率化する。
提供:建通新聞社