全国建設業協会 全国ブロック会議・地域懇談会
(4)東海ブロック
■65回建設業協会東海4県ブロック会議開催
第65回建設業協会東海4県ブロック会議が10月23日、岐阜市内で開かれ、4県の建設業協会が国土交通省と意見を交わした。4協会は、災害に強いインフラ整備のための公共事業予算の増額と地域建設業の受注機会の確保や、安全安心を確保する地域の守り手としての役割、公共土木施設管理者と建設業協会とが一体となった風水害緊急および復旧活動の体制作りの検討、週休2日の実現に向けた環境整備への取り組みの推進などと題して、それぞれの要望を話した。
開催県としてあいさつした岐阜県建設業協会の佐竹武会長は、「建設の業界では、入職者の減少などによる担い手不足や高齢化、さらに週休2日などの働き方改革と、課題が山積している」と述べ、「われわれ地域の建設業者には、社会資本の整備や維持管理はもとより、災害時に地域を守ることや担い手の育成など多くの使命がある。こうした役割と責任を東海4県で連携し、果たしていきたい。そのためにも、地域建設業が衰退しないことが重要で、経営安定のためにも公共事業予算の増額と安定した発注をお願いしたい」と強調した。
来賓として出席した国土交通省土地・建設産業局長の野村正史氏は、日頃の国土交通行政への協力に感謝するとともに、「適正な賃金の就労環境づくり、担い手の確保や外国人雇用など、多くの課題が山積しており、こうした課題解決に向け建設キャリアアップシステムのスタートも控えている。建設業の皆さんとコミュニケーションを取り連携して取り組んでいきたい」とあいさつした。
会議では岐阜建協が、「災害に強いインフラ整備のための公共事業予算の増額と地域建設業の受注機会の確保」と題して要望した。全国各地で自然災害による貴重な財産が失われたことについて触れ「国土強靱化のため、公共事業を柱とした大型補正予算を編成してほしい。さらに当初予算には、大規模災害に備えたインフラ整備強化推進へ公共事業関係費の大幅な増額をお願いしたい」と述べた。
静岡建協は、「週休2日の実現に向けた環境整備への取り組みの推進」をテーマに要望した。労務費や機械経費(賃料)、現場事務所などの土地代、安全施設のリース代などを含む共通仮設費や現場管理費について、現状の補正係数では、施工実態と乖離(かいり)していると述べ、補正係数の引き上げを切望した。
愛知建協は、「地域建設業の受注機会の確保や、安全安心を確保する地域の守り手としての役割を果たすため」について求めた。担い手の確保や育成は、健全で安定した経営で成り立つとした上で、今後10年間の地域の事業が見通せるような中期的ビジョンの下、安定的な事業量の確保を要請した。
三重建協は、「公共土木施設管理者と建設業協会とが一体となった風水害緊急および復旧活動の体制作りの検討」について要望することと併せて、地域の建設業の災害時事業継続計画の作成の推進とその認定と評価の促進を願った。
提供:地方建設専門紙の会